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岩見沢農業高校1学級減計画案について

〈平成29年6月14日投稿〉

先日の新聞記事を御覧頂いた方もいらっしゃると思いますが、あらためて5月26日に開催された高校適正配置連絡会議後に行った道教委への要望書の提出も虚しく、6月6日に「公立高校配置計画案(平成30年度~32年度)」が公表され、岩見沢農業高校において、1学年7学級から6学級へ削減するとされました。

それを受け、6月9日(金)午後1時より、第2回目の高校適正配置連絡会議を開催し、その場に道教委の方々をお招きし、経過の説明と意見交換を行うことができました。

多くの委員より出た言葉は、

・なぜ大きく定員割れをしている地方の学校を残し、定員を満たしている岩見沢農業高校を削減するのか。(地方のある高校においては、倍率が0.4倍。地元の中学生がその高校に進学している人数は4人という状況もあり、他にもそれに類似した状況が周辺高に存在している。)

・岩見沢農業高校は職業学科として全道一円から生徒が来る。よって岩見沢の中学生が減る≒岩見沢農業高校の定員を減らすことの正当性がない。

・岩見沢農業高校は非常に努力をしている学校。SSH等を含め、努力して学生を集めている学校が減らされ、定員を満たす方針を打ち出せていない学校が残される事情が不明。(岩見沢農業高校は倍率こそ1倍程度であるが、これは推薦入学が多く、各中学の段階である程度の篩分けを行っている結果と考えられる。)

・岩見沢農業高校で1学年1学級減ということを公表したが、どの学科でという議論は無い。まさしく単なる数合わせの検討であることが見える。

等々、様々に正当的な意見が出ました。

 

それらに対する道教委の返答としては、岩見沢、美唄等で今後大幅に中学卒業生が減少する状況下、都市部の学校の間口を維持すると、郡部の学校に欠員が増加し存続が厳しくなる。という言葉もあった。

これは道教委が掲げる1学年4学級以上が望ましいという基準と矛盾することとなり、郡部の1学年1学級の高校を残すことによる地域の大人の事情にこども達が巻き込まれている状況にほかならないとも思えます。

また、時代の流れとして、普通科高校から奨学金を得て私大に進み、莫大な借金を背負って経済的困難に立ち向かわなくてはならない事情も多々報道されている状況下、益々、岩見沢農業高校の様な職業学科のニーズが高まることが容易に想像できる。

更に中小企業も人材不足に喘いでいる状況下、地元企業等においても岩見沢農業高校は多大なる期待を担っているため、そこで1学級減になる正当性が見当たらない。

それらの事から、あらためて岩見沢市高校適正配置連絡会議において、再度道教委に要望書を提出することとし、岩見沢農業高校PTA・同窓会が主となって行う運動にも全面的に支援することといたしました。

 

ここで少し横道に逸れますが、、、

以前、シビックプライド探求部の勉強会で用いたスライドを見直すと・・

gannnou

岩見沢農業高校は明治38年に空知農業高校として誕生。岩見沢村会の議決を持って北海道長官に「農学校設置の請願」を行い、後に道議会で可決。同時期に誘致をしていた滝川と1票という僅差で決定したもの。

そしてこの学校は、「青年よ大志を抱け」で有名なクラーク博士が初代教頭として、実質的な責任者であった「札幌農学校(現:北海道大学)」の弟分としての扱いだったため、非常に士気が高く由緒ある学校です。

現在は学力という面において突出しているわけではありませんが、入試方法も推薦入学枠が多いため、しっかりした学生が多いのも特徴かと思います。

さらに教職員も誇りをもって努力されていて、学生もそれに応えるように活躍をしているのが報道等でも見ることができます。だからこそ、なぜ・・・。という想いが募ります。

 

これまで、一端公表された計画が覆ったことは無いと聞いていますが、これまで述べてきたことの正当性を前面に出しながら、原理原則に基づいた判断をしていただけるようにしっかりと伝えていきたいと考えています。

 

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最後に、、

私の思考の前提として、今後、間違いなくこども達の数は減っていき、どこかの高校の間口は減少していかなくてはならないのは事実。しかし、ではその対象となる高校がどこに?という部分においては、やはりこども達を主体として考える事が重要で、机上の数値で減らしやすいところから減らすのではなく中長期を見据えたビジョンを持った上で選定していかなくてはならないと考えています。

それはどこの地域の卒業生が、どの地域の高校に入学しているか?等の流動性などを見ても明確であり、多くのこども達に必要とされている学校が減らされ、現状で大規模な定員割れが続いている学校を残していくことが私には正しいとは思えません。

そしてこれらの全体的課題は、岩見沢”市立”である緑陵高校にも言えることで、現在は倍率1倍に若干満たない状況で、これが続けば削減を議論しなければならないことは明白。こども達が進路を選ぶための根拠を明確に打ち出していくことが重要だと認識しています。そんな選ばれる高校になるために学校も教育委員会も努力をしていますが、今後益々、地域と行政が一体となった取り組みが必要になってくるのは言うまでもありません。

今進めている差別化の徹底を目指し、市としての予算措置を含め、本気の議論が必要な時期になってきていると感じています。