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岩見沢の誇るICT農業

もともと、岩見沢市は過去にIT特区の認定を受けていたこともあり、先端技術に対するアンテナの高いまちです。現在も市の担当者の感度も高く、実は農業分野においてもとても優れた取り組みが行われているものの、あまり世間一般には知られていないのが実態。

そこで少しだけご紹介させていただきたく思います。(とは言え、恥ずかしながら私は農業分野は素人同然なので、もしかしたらズレていることも書いてしまうかもしれませんが・・・)


本日(平成26年3月21日(金))の朝、GPSによる農業機械の自動運転等に関するデモンストレーションにお邪魔してきました。

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場所は市内でも最先端の技術で農業経営をされていると伺っているT様の農場です。

この技術に興味を持ったきっかけは、予算審査特別委員会の農業分野及び、企画財政課の取組みの中に記載されていた項目と、facebookでつながっている農業の方の投稿で、融雪剤をGPSをつかって散布しているのを見て、岩見沢の基幹産業である農業の最先端技術に興味を持ったものです。

早速、10年ぐらい前に、私がJCの委員長時代、岩青協の主力として一緒に様々な活動をしていたD氏に連絡を取り、実際に最先端技術取り入れているTさんをご紹介していただきました。そして本日の見学を受け入れてくださる事となった次第です。

今回はGPSによる自動運転の様子です。

当然、運転者は乗っていなければなりませんが、動画を見ると分かる通り、ハンドルに手を触れていません。GPSによる誘導で設定通りに動いている状況です。(動画中の大勢の人はメーカーの関係者と他地域からの視察の方々です)

こういう技術により、何がメリットになるかというと、、、

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この図にある通り、農機具のラインを正確に設定することができるので、代掻きなどで農機具がどこを走ったか跡が見えない場合、通常は重複したラインを取らざるを得ないものがロス無く走行できるため、その時間の短縮たるや相当なもののようです。

また、施肥や融雪剤の散布にしても、かなり正確に無駄なく施すことができるため、時間だけではなく材料のロスを抑えることができる。何より、従事する方々の高齢化が顕著になってくると、この運転作業も疲れてしまい、長時間の労働が苦痛になるものが、ほとんどオートマチックになるため、1日中乗っていても疲れが少ないとのこと。

そして、そこまで簡単になってくると、実はベテランの技術がなくても、派遣スタッフでも簡単な操作で作業ができる可能性もあり、農業従事者不足が解消されることも考えられます。

このGPSの技術は、x,yの平面的なものだけでなく、高さを備えたz座標も活用できるため、さらなる可能性を秘めていると共に、すでに十分に実用化が進んでいます。(このあたりの詳細はまた別の機会に紹介させていただきたく思います。)

今回のGPSは人工衛星だけだと精度的な誤差が数十センチ発生するため、畝の間を正確にトレースできず、せっかく育った作物を踏んでしまう恐れがあります。岩見沢市ではその精度を向上させるため、平成25年度に市の予算で大願地区と上幌向地区に基地局を設置。

結果、僅か数センチの誤差になっているとのこと。また、更に広範囲の地域をカバーし、精度を上げるために今年度、基地局をもう一つ設置する計画になっています。

現在、農業だけでなく、除排雪の分野でも実験が始まっており、つい最近では冬期間通行止めで雪で埋もれていた道路を開通させるのに、このGPSのシステムを用いて作業することで、大幅な時間短縮になっているとのこと。

更に、通常の路線除雪にしても、位置管理だけでなく、危険なマンホールの飛び出しや、ひっかける恐れのある構造物などをあらかじめ登録しておくことで、注意を促す警告を出すことができるなど、様々な分野で展開できそうです。民間業務においても、色々とアイデアが閃きます。

現在はこのように、器となる基地局は行政で整備し、受信側の設備は受益者負担という形になっています。今日の自動運転のシステムで約200万円ぐらいと聞きましたので、除排雪の分野とシェアできれば、あっという間に元がとれそうな感じもします。

いずれにせよ、一気に普及していく可能性を秘めていると感じました。

また、岩見沢のICT農業はこれだけでなく、1年以上前に簡単にご紹介した「次世代型農業気象システム」においても全国初の試みであり、様々な観測データを元に、生育予測、収量予測、病虫害発生時期等を算出可能になっています。

これらを称して「地理空間情報高度活用社会(通称:G空間社会)」と呼んでいるそうですが、この岩見沢市は着々とその実績を積み重ね、全国でもかなり進んだ環境を構築しつつあります。

当然、新しいことには課題もつきまとうものですが、その恩恵を考えると益々進化のスピードは早まると思われますので、私達も遅れること無く、アンテナを高くしていかねばならないと再認識した次第です。