新病院建設に関して徒然に〈パブリックコメント募集中〉

《令和7年2月2日投稿》

https://www.iwamizawa-hospital.jp/construction/details/04sekkei.html


本パブリックコメントの実施に先立ち、1月31日に「新病院建設特別委員会」を開催しました。

その内容は見直し後の「施設概要中間報告」であり、病床数等の削減が進み、当初よりかなりコンパクトになった印象を受けています。しかし、物価高騰の影響で、施設規模を見直した状況ですら総額で約417億円+ES事業費となることから、果たして今後の急激な人口減少社会と深刻に加速する少子高齢化の時代において、持続可能なのか?というのが争点の中心となってきます。

新病院の収支シミュレーション一つとっても、確証たるものはなく、医師の方々が当市の希望通り岩見沢新病院に来ていただけるのか、また、医療従事者は適切な人数を維持できるのか、更には人口減少が激しく、国の施策において医療負担等の増加も予想される中で、患者数は見込み通り維持されるのか等々、不透明な点が多く、岩見沢市の年間一般会計予算に迫る勢いの高額な投資が果たして正しいのかどうかの判断が、私自身、現時点で明確になっていません。

要素としては、たとえ建設費に1000億円かかったとしても、老朽化で建て替えが行われるタイミングまで安定した経営が行えるならば何の問題もないのですが、例え建設費が200億円であっても、医療従事者の不足や患者数の減少等で経営の見込みが大きく外れ、一般会計から毎年多額の赤字補てんをし続けるようになれば、それは今後の岩見沢市の財政状況に多大な負担をかけることとなり、市の将来に暗い影をもたらし続けることとなってしまいます。

もちろん、ネガティブな要素のみならず、新病院ができることで発生する様々なプラス効果も期待できます。例えば、消滅可能性都市の概念である2020-2050年の30年間の若年女性減少率をみても、若年女性の雇用環境が維持されることで、持続可能な岩見沢市を目指すこともでき、また、医療に強い地域としてその特性を伸ばすことで、選ばれる岩見沢市へと舵を切ることもできるのかもしれません。

しかしそれは、現時点では何ら根拠のない「絵に描いた餅」でしかないのです。


以下に、昨年末に某所より依頼を受けた90分の講演の中で、自分の思考整理を兼ねてつくったスライドの一部です。

やはり前向きな戦略を取ろうとしても、一番下のスライドにあるように、岩見沢市は南空知の中核都市とはいえ、「札幌市の60分都市圏」に飲み込まれてしまっている状況下、医療分野だけこれを無視することができるのか?というと、急性期を除いては非常に苦しい展開になってしまう恐れがあります。

この様に、あらゆる視点から検討を続けてみても、これだ!という明確な答えは出てはきません。まさに日本は正解の見えない時代に突入してしまったことを実感するのみです。


今後のタイミングとしては、3月に行われる予算審査で本事業に関連する予算が上がってくるため、その審議が通れば建設の契約に進み、いよいよ後戻りができなくなります。よって、その予算審査が最後の岐路となることから、より慎重な情報収集と分析を進めていかなくてはなりませんし、それまでには我々議員サイドも努力と苦悩を重ねて決断をしていかなくてはなりません。

これまでの情報としては、約1年前に行われたパブリックコメントの前に懸念事項等を紹介した動画や

今年の1月に公開した、岩見沢市の今後の未来予測に関する動画もありますので、ぜひご覧いただき、この決断がどうすべきか共に考えていただければ幸いです。

過去の市立病院に関連する投稿一覧(カテゴリー)は以下からご覧いただけます。

https://hiranoyoshifumi.jp/%e5%b8%82%e7%ab%8b%e7%97%85%e9%99%a2

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