〈令和7年7月20日投稿〉
当一般質問終了後に、以下のような動画で質問の意図を紹介させていただいていますが、今回の投稿はその議事録となります。どのような答弁になっているかご覧いただければ幸いです。
以下、議事録転載
◆議員(平野義文君) 〔登壇〕 市民クラブの平野でございます。
通告に従い、一般質問をさせていただきます。
今後、日本全国において著しい人口減少が進むことが避けられない状況下、この岩見沢市を持続可能な地域とするために、意識共有の意を含めながら、大きく1点、3項目、8件について質問をさせていただきます。
まずは、岩見沢市の現状認識についてですが、平成28年に策定された人口ビジョンの中に、人口の長期見通しとして、合計特殊出生率を2025年に1.4、2035年に1.6、2045年に市民の希望出生率である1.8、2065年に人口置換水準とされる2.07を達成することを目指すという記載があります。
岩見沢市は、これまで切れ目のない手厚い子育て支援等の体制整備に努力をし、評価すべき実績を残していると考えております。しかし、そのような中においても、社会環境や個々の意識、価値観はそう簡単に大きく変化することはなく、近年の合計特殊出生率は、コロナ禍の影響もあり、かなり低い水準のままであると認識をしています。
平成28年に掲げた岩見沢市人口ビジョンでは、1年後の2025年の総人口推計を7万7,570人としていましたが、令和2年改訂版では約3,000人の下方修正を行い、2025年の人口は7万4,318人と推計をされています。しかし、その想定の1年前となる今現在、2024年10月末で、既に1年後に起こるべき推計値とほぼ同一の7万4,439人となっており、岩見沢市人口ビジョン推計との乖離が生じ始めています。このままでいくと来年2025年は、恐らく国立社会保障・人口問題研究所の推計値である7万3,202人にかなり近い値になることが想像できます。
改めて、現状では社会保障・人口問題研究所の推計が正しいと仮定をしていくと、今後の岩見沢市の人口推計がいかに深刻な状況かが分かります。
その前に、若干余談かもしれませんが、例えばこれから15年後の話をすると、まだまだ先のような気がいたしますが、岩見沢複合駅舎は、つい最近できたような印象がありつつも、今年でグランドオープンから15年を経過しました。また、つい最近できた印象のあるイオン岩見沢店ですら、ポスフールとして出店してからもう20年。市営球場が現在地に移転して25年。西友が岩見沢にオープンしたときの記憶が明確にありますが、それからもう36年が経過をしています。時間の流れは本当にあっという間であります。
そのような中、現在7万4,000人台の岩見沢市の人口も、たった6年後の2030年には6万7,000人台、11年後の2035年には6万1,000人台、16年後の2040年で5万6,000人台、21年後の2045年で5万人台、現在から僅か26年後の2050年で4万5,000人台と、現在と比較し人口は約4割もの減少となり、なおかつ高齢化率は2025年の39.3%に対し、2050年は49.1%と非常に高い状況になることが推察をされています。
中でも特に深刻なのが年齢構造であり、最も働き、最もお金を使う世代と言える生産年齢人口を見ると、2025年で推計約3万8,000人ながら、26年後の2050年には約2万人と、ほぼ半数近くまで減ってしまうことになります。しかし、65歳以上は2万9,000人から2万2,000人へと約2割程度の減少となることが予想されることから、今後はじわじわと働き手不足が加速し、あらゆるサービスが機能しなくなる労働供給制約社会が顕在化してくるとともに、社会保障費の増加、歳入の減少による財政の悪化で、自治体運営もさらに難しさが増してくることは間違いありません。
これがたった26年の短い期間に日本中の大部分で発生をすることは、これまで誰も経験したことのない事象であって、その影響を想像すると、市政も市民も大きく考え方を変えていかなくてはならないと思うのであります。
そこで、各種計画の基軸となる、地域の未来予測を示す意義についてお伺いしたいと思います。我々の生活と密接に関連する経済状況を予測するとき、あらゆる変数が複雑に絡み合い、簡単に予測ができるものではありません。しかし、様々な経済指標の中で、最も高い精度で予測が可能であり、最も大きい影響を与える変数が人口であると言われています。よって、人口動態は私たちの暮らしに非常に多くの影響を与えるものとなります。
しかしながら、実際に今から僅か26年後の2050年になったときに、どのような社会、どのような岩見沢市になっているのかを正確に思い描くことは大変に難しいことであります。数値的には総人口は今より約4割減っていて、生産年齢人口は現在のほぼ半数近く、そして高齢化率は49%を超えてくる。しかし、多くの市民の皆様にとっては、この数字を見ただけではなかなかイメージが思い浮かばないことが多いかと思います。しかし、行政運営においてはそうは言っておられず、やはり今後厳しい状況となるのが明確であるからには、粛々とその対応をしていかなくてはなりません。
そこで、改めて現在の岩見沢市の各種計画を確認してみると、昨年、計画の開始から5年目で中間検証を行った、市の最上位計画である第6期岩見沢市総合計画は、平成30年から令和9年までの10年間の期間の計画を定めたものであり、人口ビジョン改訂版は令和2年から令和6年までの4年間、総合戦略は令和6年から令和9年までの3年の期間となっています。
これら市に存在する多様な各種計画においては、例えば岩見沢市公共施設等総合管理計画などは、その試算において令和42年、すなわち2060年までを見据えていたり、それぞれの中で長期推計を行っているものもありますが、基本的には長くても10年以内の計画期間内を想定したものとなろうかと思います。これまでの人口停滞期であればそのスパンでも問題がなかったと言えますが、今後、人口減少がさらに加速するフェーズにおいては、高齢者数がピークを迎える2040年や、そこからもう一歩先の2050年頃の岩見沢市の各種状況予測、例えば各種行政サービスはどの程度維持が困難になるのか、公共交通や病院経営はどうなるのか、労働者不足はどれほど深刻なものとなるのか、空き家や空き地はどうか、学校の配置、公共施設やインフラの老朽化、また、市の財政状況はどうなっているか等々、様々な要素においてその時々の姿を予測し、見える化することで、それらを市民の皆さんと共有しながら、その予測の軸に基づいて各種計画を沿わせていくことが重要ではないかと考えます。
ただ、このような予測は非常に難しいものであると認識をしておりますが、総務省の第32次地方制度調査会・2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために必要な地方行政体制のあり方等に関する答申、これにおいても地域の未来予測の整理等の重要性が指摘をされ、その後開催された総務省の地域の未来予測に関する検討ワーキンググループ報告書においても、各市町村において、将来、具体的にどのような資源制約が見込まれるのか、その行政需要や経営資源に関する長期的な変化の見通しを、客観的なデータを基にして地域の未来予測として整理をし、首長や議会、住民等の地域社会を支える主体が共に資源制約の下で何が可能なのか、どのような未来を実現したいのかの議論を重ね、ビジョンを共有していくことが重要となるという考え方が示されています。
未来の厳しい状況を極力見える化し、その解決に向けたロードマップを策定していく。これは、言わば岩見沢市政でもよく使われるバックキャスティングによるものと言えると思いますが、市民の皆様と将来イメージを共有しながら、我慢すべきことは納得の上で我慢するなどしつつ、明るい希望豊かな日々を送るべく、時代に合わせた柔軟な変化を進めるためにも、分かりやすい各種計画の根拠となり、長期的な基軸となり得る地域の未来予測の整理と見える化が重要というふうに考えますが、市長の考え方をお聞かせ下さい。
次に、DX・デジタルトランスフォーメーションの推進に関連してお伺いをいたします。
深刻な未来予測の中でも、課題解決に至る大きな要素、そして希望の一つがDXであるというふうに認識をしています。従来の技術や慣習を前提とした行政体制を変革し、住民が迅速かつ適確で効率的な行政サービスを享受するためにも不可欠な要素であり、さらには住民、企業等の様々な主体にとって利便性が向上するとともに、公共私の連携や地方公共団体の広域連携による知識・情報の共有や課題解決の可能性が広がるなど、組織や地域の枠を超えたイノベーション創出の基盤となることが考えられます。さらに、こうした連携がデジタル化の効果を一層高めるといった好循環の形成も期待をされてきます。
しかし、地方行政のデジタル化を実現するためには、国・地方に共通する基盤の活用、情報システム等を効率的・効果的に整備するシステム面での対応や、専門人材の確保を含めた人材面での対応が必要となることから、スマート・デジタル自治体を推進する岩見沢市として、今後どのように人材の育成、また、確保を進めていこうとされているか、その考え方をお聞かせ下さい。
また、DXの推進で多様な課題が解決する可能性がありますが、留意しなければならないのは種々デジタルデバイドの克服であります。岩見沢市の場合は、光ファイバーが普及し、インフラとしての格差は解消されていると認識をしていますが、あとは経済格差や高齢者等のデジタルリテラシーの課題が挙げられると思います。
今後、行政と市民が互いにDXの恩恵を享受するには、市民それぞれが極力格差なく平等に機会を得ることが必要ですが、経済的な格差はもちろん、より難易度が高いのが、日頃インターネット等に縁のない高齢者の方々に、どうやってスマホなどのデジタル機器になれ親しんでもらえるかが重要な鍵になってくるのだろうとも考えています。
NTTドコモ系列のモバイル社会研究所が本年8月に発表した調査によると、60代の約4割、70代の約6割、80代約7割がスマホを使いこなせていないと実感しているという結果がありました。岩見沢市においてもシニア世代を対象としたスマホ使い方教室などが開催されていますが、その効果と評価についてお聞かせください。
また、スマホの使い過ぎに起因するスマホ認知症が社会懸念となっている反面、日本医療・健康情報研究所の情報から抜粋をすると、アリゾナ州立大学の研究チームが68歳から91歳の高齢者14人を対象にパソコンの活用が認知能力にどのように影響するかを調査し、インターネットでのSNSの利用経験がほとんどなかった人々にフェイスブックの使い方をレクチャーし、グループ内でSNS上の友人たちをつくるように指示し、1日1回以上の投稿をするように依頼。8週間後に認知能力を調べるテストを行ったところ、認知能力が25%も改善したという結果が出たそうであります。アリゾナ州立大学のジャネル・ヴォルトマン氏によれば、SNSで作成したコンテンツは不特定多数の他人に読まれ、他人の発信した情報を見ることもでき、双方向的な交流ができる。こうした作業により認知力、記憶力、観察力、注意力が鍛えられ、脳のトレーニングにもなると説明ができるそうであります。
このように、シニア層の大きな懸念の一つである認知症についても、SNSを通じて不特定多数と双方向的な交流をすることで緩和・改善できる可能性もあり、近々の高齢社会におけるデジタルデバイドの克服は、健康福祉に寄与する可能性も示唆します。よって、より活発にシニア層がデジタル技術を取り入れるために、楽しさや便利さを感じられる場を提供し、身近なサポート体制を整えることが鍵となってくるとも思われます。
改めて、岩見沢市としてスマート・デジタル自治体を推進していくに当たり、シニア世代がデジタルに親しむことができる支援等のさらなる取組が必要かと思いますが、どのように考えておられるかお聞かせください。
次に、不良空き家に関する懸念についてお伺いをいたします。
人口減少社会における大きな懸念の一つが、不良空き家等の増加です。相続によって発生する空き家が話題になりつつあり、中でも相続放棄という言葉をよく耳にするようになってきたと感じます。相続放棄は、亡くなった方の資産などのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産も全て引き継がないと決める手続でありますが、今年の報道でも2022年度の相続放棄件数が過去最高の26万件を超えたという情報がありました。理由としては、被相続人の借金を引き継ぎたくない、疎遠な親族との関わりを避けたいなどの傾向があるようです。そこで大きな社会問題になっているのが、親などの住んでいた老朽化した不動産価値の低い家屋を相続することに対し、毎年の固定資産税の支払い、各種管理や修繕等の費用も発生するため、必要のない家屋を含む全ての遺産を相続放棄することで負担を避ける意思が働くこと。これらは裁判所への申立手続により債務の清算を行い、財産管理人への報酬が支払われた後、最終的には国庫に納められるという流れになると把握をしています。
ただ、2023年3月末までは民法第940条によって「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」とあり、例えば家屋を含む遺産の相続を放棄したとしても、次の順位の相続人や相続財産管理人へ管理権を引き継ぐまでは、その当人に管理責任があるという状況が保たれておりましたが、2023年4月1日の改正において、相続放棄の際に属する財産を現に占有している人にのみ保存義務が生じるとされました。この改正により、例えば、遠方に住んでいる子が親が住んでいた実家の相続放棄をした際には、現に占有の実態がなければ保存義務が生じないという解釈となる可能性が高く、現状の社会情勢を鑑みると、このような実家等の相続放棄が増加していく傾向が想像されます。また、そのようなケースのみならず、法定相続人がいない単身の方の持家だった空き家なども、同様に社会問題となってくると思われます。
それら空き家の周辺環境の悪化、安全確保の管理等は直接的には岩見沢市が目を光らせなければならないことから、今後の推移に懸念が募るところであります。
そこでお伺いをいたしますが、現在、岩見沢市内において管理不全な空き家が何軒存在をしているのか。また、その中で相続放棄を含めた相続人不存在の空き家は存在をするのでしょうか。あれば、その種別と件数を教えて下さい。
また、存在する空き家が著しい景観の悪化や近隣に危害を及ぼす可能性が生じた場合、岩見沢市空家等対策計画では、所有者等に対し指導・助言を行うことで改善を図っていきますが、どうしても所有者と連絡が取れない場合の措置はどのようになっておられるか。また、相続放棄物件や相続人不存在の空き家の場合、岩見沢市としてどのような対応を取ることになるか、状況をお聞かせいただければと思います。
以上、一般質問といたします。
◎市長(松野哲君) 〔登壇〕 平野議員の一般質問にお答えをいたします。
初めに、地域の未来予測についての御質問でございました。
人口減少や少子高齢化が進行し、財政規模の縮小とともに、労働力や専門人材の不足が生じ、必要なサービスの提供への支障なども想定される中、これからの行政運営におきましては、選択と集中の視点による取組が不可欠となっております。
そのため、市民の皆様に対しても、未来のあるべき姿に向けて実現すべき施策を明らかにしていくことが重要であり、可視化された客観的なデータなどを加えていくことは、共通理解と合意形成を図る上で有効な手段であると認識しているところでございます。
その一方で、数十年単位の超長期にわたる予測を一定の精度でお示しすることには様々な課題があり、現時点では、推計方法が確立されている人口動態を中心として、インフラなどの客観性が高い行政情報の活用に限られてくるものと考えております。
当市においては、これまで最上位計画である総合計画はもとより、ほぼ全ての個別計画の策定に際し、バックキャスティングの観点から、現状分析とともに人口等の推計データを組み合わせながら、未来を起点とした計画づくりを進めてまいりました。
例えば、総合戦略におきましては、国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口をベースとして、複数のパターンによるシミュレーションを行い、施策の推進を通じた人口減少の抑制を目指す人口ビジョンを策定し、他の個別計画における参考指標ともなっているほか、RESAS・地域経済分析システムによる地域の現状及び見通しの分析・把握を行い、必要な施策に反映させてきたところでございます。
次に、広域連携の取組においては、令和2年に開始をした南空知圏域広域連携加速化事業の中で、各構成自治体に係る国勢調査データを基礎として、市町間や圏域外との人流の分析などを行うとともに、人口推計を加味しながら、定住自立圏における連携事業の構築を検討しているところでございます。
また、総合計画におきましては、基本目標ごとに10年後の目指す姿を掲げておりますが、これは人口ビジョンのほか、各個別計画において集積した統計データに基づき、総合計画策定市民会議をはじめ、市民ワークショップや若者、女性を対象としたグループインタビューなど、様々な世代の方々との意見交換を通じて形づくられてきたものでございます。
今後においても、これまでの経験を生かし、地域の未来予測など推計の手法や活用に関する知見を高めるとともに、市民の皆様との適切な共有も図りながら、よりよい計画づくりや政策の立案と推進に努めてまいります。
次に、DXの推進についての御質問であります。
初めに、スマート・デジタル自治体の推進において重要な、人材の育成や確保についてのお尋ねであります。
当市では、これまで行政窓口のスマート化による書かない窓口やICT基盤活用によるスマート農業など、先進的な事業を展開してまいりましたが、このような取組を継続していくためには、人材の育成と確保は重要課題と捉えております。
市民を対象としたDX推進といたしましては、従来の基礎的なリテラシー向上を中心とした研修から、令和6年度はデジタル技術を理解し、活用できる人材の育成を目的に、より実践的な研修へと段階を上げて取り組んでおり、研修の一例を挙げますと、生成AIやドローンなどの先端技術の活用をテーマとした研修も行っております。
また、これからの地域社会を担う高校生に向けては、産学官連携の取組の中で大学や企業と連携して人材育成に取り組んでおり、スマート農業の取組を高校生が学ぶ機会をつくるなど、様々な学びを提供しております。
また、多岐にわたるITの知識を持つ職員の確保・育成については、令和5年度にIT系企業に勤務経験のある技術職を1名採用したほか、東京などで開催されているデジタル人材の育成に資する研修を複数の職員が受講し、知識や技術の習得を推進してきているところでございます。
今後におきましては、任期付職員の採用や外部アドバイザーの委託、人事交流を通じて外部の専門人材の活用を検討するなど、DXを推進する人材の育成と確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、シニア世代対象のスマホ教室などの効果と評価についての御質問であります。
現代社会において、スマートフォンは情報収集や行政手続など、日常生活に欠かせないツールとなっている一方で、操作に慣れていない方々にとっては、スマートフォンの利用は依然として高いハードルとなっていることから、令和3年度から誰もがデジタル社会の恩恵を享受できるよう、基礎的な操作方法から役立つアプリの紹介など、幅広い内容のスマートフォン講習会を通信事業者や地元企業と連携して実施をしており、令和5年度の実績といたしましては、講習会を合計24回、延べ214名の方々に御参加をいただいたところであります。
そこで、スマートフォン講習会の効果と評価についてのお尋ねですが、スマートフォン講習会終了後に実施をしたアンケートでは、参加者の9割弱がスマートフォンを所持している方で、そのうちスマートフォンを2年以上所有しているという参加者が半数以上を占めるなど、スマホを所有しているが使いこなせていない、スマホの操作に不安があるといった傾向が見えたところであります。また、講習会全体の評価といたしましては、97%の参加者の方が「満足」「よかった」という回答であったとともに、「スマートフォンがもっと身近になった」「また参加したい」などの感想が多く寄せられるなど、非常に好評をいただいており、有効的な取組であると考えております。
次に、シニア世代のデジタルデバイド克服に向けた今後の取組についての御質問でございます。
ふだんの生活で利用機会が増えているスマートフォンについては、先ほどのスマートフォン講習会の開催のほか、日頃からスマートフォンを使いその便利さを知る地域の身近な方がデジタルに不慣れな方に寄り添って、スマートフォンに関する困り事を解決するスマホサポーターまたはスマホ活用支援員を養成しサポートできる体制について、今後、検討することとしております。
次に、不良空き家に関する懸念についてのお尋ねでございます。
市内に存在する管理不全な空き家の件数につきましては、11月末現在で32件となっております。その登記上の種類につきましては、居宅が27件、共同住宅1件、店舗などの商業施設が4件となっております。地域特性としては、中心市街地2件、住宅地28件、農村地域などの郊外は2件となっております。
次に、所有者と連絡が取れない場合の措置につきましては、空き家の管理は所有者が自らの責任で適切に管理することが原則となっておりますことから、戸籍・住民票の文書調査に加え、現地での聞き取りなどの調査を徹底し、それでも所有者が判明しない場合で道路の通行に支障を来す場合や危険を伴う状況では、市において屋根からの落雪の除雪や必要最低限の飛散防止を行うなど、緊急安全措置を実施しております。
また、周辺の環境に悪影響を及ぼす相続放棄物件につきましても、所有者と連絡が取れない場合と同様、市において緊急安全措置を行いますが、相続放棄物件は所有者による修繕や解体・除却がなされないため、大きく破損し、著しく危険な物件となった場合は、令和5年に一部改正された空家等対策の推進に関する特別措置法や第2次岩見沢市空家等対策計画に基づき、代執行や財産管理制度の活用について個別に検討しております。
以上でございます。
◆議員(平野義文君) 〔登壇〕 答弁ありがとうございました。
(1)の①未来の地域予測に関して再質問させていただきたいと思います。
こちら、総務省の言葉で地域の未来予測というようなことが明確に示されているわけですが、やはり市長が言ったように、長期的な部分を明確に推計するというのは非常に難しいことでありまして、インターネットで検索をしても、まだまだ策定している自治体、また、広域に関しても決して多くはないといった状況であるというふうに認識をしています。また、あったとしても、内容も市民や町民の方々が納得をして理解ができるような、なかなかまだそこまでにもなっていないのかなというふうな気がしています。
ただ、今後やっぱり見える化というのはとても大事なことだと考えていて、例えば千葉大学の倉阪教授の研究プログラムでオポッサムというのがあると思うのですが、これ、日本全国どこの自治体も今後特に何も手を打たなかった場合の様々な未来予測のデータが出てきますよね。これ、岩見沢市を見てみると、何も手を打たなければという大前提の上ですが、例えば2025年で建設業従事者の数が約2,300人と表示をされていて、これが今から26年後の2050年には855人になるとか、そんなふうにデータとしては示されるのですね。こうなると、もう現行の除排雪等はほぼできなくなってしまうというような予測になってしまいますし、これ、農業従事者とか卸売業とか小売業とかも、ほぼ同じような傾向を示すのですね。こうなると、なかなか持続可能な地域にはやっぱりなり得ないわけですし、また、医療・介護についても2035年以降に急激に従事者が減少するという、そんな予測もあるわけです。ぜひ、こういった様々なデータをやっぱり見える化をしていくことというのは、市民の皆様と意識共有していくためには非常に大事なことだなと考えていて、何とかそういうこともやっていくべきではないかなと考えています。
これについて総務省の資料を見ていくと、単独の市町村のみならず、広域連携を行う際にも広域的な視野で地域の未来予測を策定して、それを踏まえて目指す未来像を議論して、そして広域連携の可能性を探るという趣旨の表記もあって、実際に今、さっぽろ連携中枢都市圏、岩見沢市も入っていますが、こちらにおいては地域の未来予測の調査・検討業務がもう令和5年の3月段階で終了しているという、そういうふうなデータを見ました。
我々も今後、南空知定住自立圏を進めていくという話でありましたが、そうなっていくと、地域の未来予測をつくって、なおかつ地域住民等と目指す未来像を議論するというふうな場を設けていくことによって特別交付税措置もあるというふうな資料も見たのですが、いずれにせよ適切な連携を図るという意味でも、こういった見える化を進めることは非常に重要だと思うのですが、改めてその考え方をお聞かせいただければと思います。
あと、もう一点なのですが、(3)の④、相続放棄物件等が周辺に影響を及ぼす場合の対応について、行政代執行等の話が出たかと思うのですが、なかなかこれはやっぱり1つ2つ例をつくってしまうと、行政がやってくれるという、そんな前例をつくるというのは非常に懸念すべき状況であるのですが、今のところ岩見沢市として、全て解体とかではなくても、さっき飛散防止をしているとかというお話はありましたが、行政代執行の中で何か手を施されたということがあるのかどうかという、そういった点を確認させてください。
◎市長(松野哲君) お答えをいたします。
地域の未来予測でございます。
もともと総務省の自治行政局長通知の中にもあるように、地域の未来予測に基づく広域連携推進要綱等の策定とか、いろいろそういう通知も出ているわけですけれども、基本的に地域の未来予測というのは、目指す未来像の議論の材料というふうに位置づけられておりまして、客観的かつ長期的な視点で整理したもの、例えば期間については15年から30年先までの変化あるいは課題の見通しをデータで整理するものだと。ただ、そのデータも、人口や人口構造の変化、施設・インフラ老朽化等に関して長期的な推計を行うということで、客観的なデータとして推計ができるものに限られるということで、その活用に当たっては、現在、幾つかの県や幾つかの市で取組をなされている状況ですが、それは行政サービスの分野に限るというようなことで、項目としても、例えば人口に関する項目では、将来人口推計ですとか人口ピラミッドあるいは小学生・中学生、男女別、若年男女人口とか高齢化率とか、あるいは地域別にプロットしてそれを見える化したものとか、さらには医療需要、介護需要あるいは消防の救急搬送人員とか有収水量とか、あるいは施設インフラの、まさに私ども公共施設の適正管理計画で行っておりますが、その面積や耐用年数あるいはインフラでは橋梁の老朽化、そういったものを含めてですが、あくまでも客観的に推計ができるもの、なおかつ人口を基礎とした長期的推計が可能であって、なおかつ行政サービスの提供に影響がある分野というふうにいろいろ制限がかかっているわけでございます。
先ほど千葉大学の先生の研究の成果ということで御指摘があったわけでございますが、何もしなければというのは、確かに政策の効果を反映しての未来予測ではございませんので、あくまでも推計ができる分野に限ってということになるわけでございますが、そこは見える化をする中で判断材料の一つとして私どもも有効というふうに考えておりますので、先ほどの御答弁の中でも、私どもバックキャスティング等いろいろな推計値の推計ですとか、あるいは材料の提供をしておりますけれども、地域未来予測などの推計の手法や活用に関する知見を高めてまいりたいというふうにお答えをしたところでございます。
それから、広域連携の取組は、これも総務省でも指摘をされておりまして、各自治体で取り組むよりは、特に岩見沢市の場合は、さっぽろ連携中枢都市圏もそうなのですが、これから取組を本格的に始めていく南空知定住自立圏におきまして、やっぱり圏域としてどういう地域の未来予測ができるのかというのは、まさにそちらのほうが私自身は有効だというふうに考えておりますので、そういったことも含めて定住自立圏の取組に生かしていきたいと考えているところでございます。
空き家についてでございますが、所有者と連絡が取れないということでくくってお答えしてもよろしいでしょうか。
所有者と連絡が取れない件数というのは、私どもで今、所有者が不明あるいは所有者の居どころが不明等の全体の件数ですと約20件です。法人の破産や解散している件数も合わせると24件になります。
そこで、私どもは安易に代執行したいというふうに考えてはおりませんで、これは相続放棄と同様なのですが、緊急性が高くて危険なものに限っては、やはり代執行とか、あるいは財産管理制度の活用については検討せざるを得ない、そういう状況にあるということで、先ほど見解はお示ししたところでございます。
以上でございます。
(「終わります」と呼ぶ者あり)